情けない音

娘の高校の卒業式で、式典が終わり、卒業生が退場するとき、吹奏楽部がある曲を演奏しました。
聴いたことのある曲。けれど、だれの曲か知らないし、曲名が分からない。しかし、その旋律にえらく感動してしまいました。
後で娘に聞いてみたら、それが「いきものがかり」の「YELL」だということが分かりました。
どうせなら、いきものがかりの他の曲も聴きたいと、2枚組のベストアルバム「いきものばかり」をアマゾンで買いました。
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そうそう、この曲だ・・・と、聴いてはみたものの、なにこれ? この録音?
まるでソノシート(赤いペラペラのレコード、知ってますか?)みたいな、AMラジオから流れてくるような音質。
まったく透明感のないボーカル。うるさい演奏。とくにストリングスの音なんて、音場を濁しているだけの最低レベル。
がく然としました。これがJ-POPの実態か・・・。
こんな音質で今の若者は満足しているのかなぁ、よくも文句が出ないものだと思いました。

いい音の定義
いい音のCD(音源)には、音にすき間があります。すき間を感じます。
楽器から出る音や声の向こうが見通せる。音と音の間の『無音』がハッキリと感じられて、その無音は限りなく透明でなければなりません。「静寂」と言ってもいいでしょう。
この「限りなく透明に近い静寂」を再現するために、音響メーカーはテクノロジーの粋と膨大な物量を投じ、アンプやCDプレーヤーなどのコンポーネントを開発・製造しているのです。
そしてレコーディングエンジニアもまた、そういう再生音を目指して録音技術を磨いているのだと思います。

こいつも「ダメだし」したい録音。ユーミンのアルバムはどれもそれほど悪くないのですが、これは別です。
ペラッとして立体感の感じられないボーカル。大きすぎるバックミュージック。これでよくもまぁ松任谷正隆がOKを出したものだと思います。
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こんなCDを聴くくらいなら、1950年代のモノラル録音盤や60年代ステレオの黎明期のほうが、うんといい。
思うに音の良し悪しは録音機器の優劣ではなく、プロデューサーやエンジニアの耳とこだわりの差なのだと。
実際、国内録音盤でも、とんでもなくいい音のCDがあります。たとえば・・・
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これは「いい音」がウリのCDなんですけど、アナログレコードも出ていて、これがまたいいんです。
演奏者の位置関係、左右はもちろん前後まで、ハッキリと再現されます。
ジャケットにはプロデューサーとミキサーのほか、カッティングの担当者まで名前がクレジットされています。
機会があれば買って聴いてみてください。たまげます。

これもいい。
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「いい音」のするCDもまた日本のCDなんです。
こんないい音のCDが作れるんだったら、みんないい音で出してよ・・・というのが私の言い分です。

いきものがかりの曲は、メロディラインがきれいで、私はけっこう好きです。これからもずっと歌い継がれていくと思うのですよ。
だからぜひ、未来のために「いい音」で残していってもらいたいのです。
ほんとに情けない。。。
Commented by mroko at 2012-03-01 08:27
私は耳アカンし、どれも聴いたことないので発言する資格なしですが(YELLは知ってるけどこの音源ではない)、音のすき間という表現で思い出した。昔CharがTOTOの連中とUSJってアルバム作った時「あいつら音が埋まってないとダメって言うんだよ」とCharが雑誌のインタビューかなんかで答えてた。AOR全盛の頃だったから出来上がった「USJ」もまさにそんなサウンドで「埋め」尽くされてた。あれをCharの作品と言うのはすごい違和感あるくらい。でもこれは私の好みだな。否定しちゃいけない。自分のバンドでギターやってたころはKey入れなかった。リズムのいいピアノ的な音は好きだったけど、ストリングス系で全体を覆うようなKeyがヤだった。人のバックでは要求された音で弾いてたけど「古臭いおもちゃのオルガンみたいに」と言われた時は辞めようかと思った(笑)。でも、今は子どもたちの吹奏楽を聴くのが楽しみ。生演奏はいいもんだわ。先日のコンサートなんかマジで泣きそうだったもんよ。
あ、ひとつ。コレよかったら→http://www.youtube.com/watch?v=VO7KrhjbrWg Vo.の音量バランスが残念ではある。
Commented by テンジン at 2012-03-01 09:45 x
私も残念ながら上記のアルバムすべて聴いたことがありません

古いアナログLPアルバムをCDにして発売する時よくデジタルリミックスなる作業がありますよね
「原音バランスを忠実にやってもらいたいなぁ」と思うものが多いです
サンタナⅡもディープパープルもあのころ聴いたLPとは全く違う演奏になっていました
逆にバランスを弄っていないと思われる当時の所属レコード会社がCDとして初めて発売したキングクリムゾンのレッド(一番好きなアルバムです)の音にはがっかりしました
隙間だらけの味気ない音と無音の時の悪いSN比
どうやったらあんなに味気ない音になるのでしょう
演奏が細くなっただけで今もあまり聴く気になりません
後に他の会社が発売した同じアルバムを買おうかな
Commented by tama_photo at 2012-03-01 12:38
人それぞれに悩みがあるのだね。
CHARさんの意見はなるほどと思う。けど、音のすき間は音源の多さと必ずしも比例しないんだよな。
単に歌声だけでも、きれいなのとそうでないのとがある。だから音の透明度って難しい問題だなぁと・・・。
コンサートで生音を聴くのはとても大事だ。オーディオ好きなモンにとってはそれが目標値。
Commented by tama_photo at 2012-03-01 12:48
◆テンジンさん
ビートルズのイエローサブマリンが原音とは少し変わっていたと思いましたが、それほどイヤな感じはしませんでした。エンジニアの嗜好でしょうかねぇ。
デジタル録音の黎明期には、乾燥した味気ない音のLPやCDがありました。無響室で聴いてるような錯覚に陥りました。
アナログを復活させましょう。

Commented by テンジン at 2012-03-01 20:36 x
あのあと「レッド」を調べてみました
94年に出たCDがたぶん私が買ったもの
その後4回発売されています
ロバート・フリップが監修したものもありました
LPを聴いた人たちはソレを聴いたときの音を求めて何回も買っているようです
他のアルバムにもそういうものがあるんでしょう
イエスの「こわれもの」と「危機」はデジタル移行の初CDを同じ頃買いましたがLPと印象は変わりませんでした
アナログをCDにするときのエンジニア嗜好は大切なようですね
原音バランスが変わっているかもしれませんが40周年記念DVD+CDのレッドを買ってみようと思います
なにしろ大好きなプレーヤー3人ですから・・
Commented by tama_photo at 2012-03-02 13:57
LPからCDへの転換期は、CDのデータ上の優位性と、それに反して再生音の悪さが巷間でよく議論されていました。
私は駄耳なので、初めてCDを聴いたときはスクラッチノイズとワウ・フラのなさ、低歪さだけに目を(耳を)奪われたクチです。
「音のエッジだけが強調されて線の細い再生音」などと酷評されていたCDプレーヤーの中から、少しでもアナログっぽい音がするマランツをチョイスしました。
その頃私が居た実家は大きい通りに面していて、大型トラックが通るとカートリッジの針が飛ぶような状態でしたので、それを気にせず音楽が聴けるのがなによりもうれしかったですね。
Commented by salgadou at 2012-03-04 08:13
Blow Upといえば ミケランジェロ・アントニオーニの「欲望」だね。
ロールスロイス・オープンカーのダッシュボードからニコンFを取り出すシーンを今でも覚えています。
この映画に影響されて写真を志す若者が増えたとか。。。
暗室で壁に貼った印画紙に向けて投影するシーンで藪の中で拳銃を構えているのを発見するのだけど
今なら 36百万画素のファイルをピクセル等倍でPCモニターに展開して・・・ああ 映画にならないねぇ (-_-;)
Commented by tama_photo at 2012-03-04 16:13
その映画、知りません。レンタルで見てみようかな。
カメラもそうですが、電話もガラリと変わりましたね。「ダイヤル**」というタイトルや歌詞があるけど「ダイヤル」ってもう死語だなぁ。
by tama_photo | 2012-02-29 23:45 | Music & Audio | Comments(8)