スーパーアンギュロン21ミリ

怪獣ではない。
レンズの名前だ。
焦点距離は21ミリ。明るさはf3.4。
絞り羽根は4枚しかない。
ごらんのとおり、後玉がぎゅーんと飛び出ている。
これが「クセモノ」。

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これだけ後ろが出ていると、カメラによっては後玉がセンサーに当たって装着できないし、反射光が遮られて測光できないものもある。
レンズのリヤキャップも専用品となる。
こうしてマウントアダプターを介してα7Rにつけてはいるが、センサーとの隙間は1ミリくらいしかないという話も聞いた。じつはドキドキしながら使っているのだ。

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そして写した画像だが、このように周辺光量がガクンと落ちる。

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それだけならまだしも、カラーでは「マゼンタ被り」という、赤紫っぽい色が周辺に現れる。
これはセンサーに入ってくる光に角度がつくから起きる症状だ。
後玉さえ出ていなければ、どちらも解決する問題。

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調べてみたら、最初のスーパーアンギュロンはf4.0で1958年に登場した。
当時のライカ社には超広角レンズを作る技術がなく、レンズメーカーのシュナイダーからOEM供給してもらったそうだ。そういえば大判カメラ用のスーパーアンギュロンは2本ともシュナイダー製だった。
1963年にf3.4と明るくなり、68年ころにブラッククロームが出たらしい。
まぁ、カラーになってもフィルムではマゼンタ被りなんて起きないから、このレンズは「銘レンズ」として珍重された。
あたしもその名前にあこがれて購入したクチだ。

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たしかにドラマチックな画だなぁ。
現代のレンズではあり得ない。撮れない画像だ。
歪曲の少なさは見事としか言いようがない。
αではなく、ライカMモノクロームにつけてマニュアルで撮る。これが正当な使用方法かも。

追記 α7RIIで激変

ある方から、ソニーαはIIになってからマゼンタ被りが改善されたという情報を得た。
記事ではなぜIIじゃなくて7Rで撮ったかというと、パッとつかんだカメラがたまたま旧型の7Rだったわけで、何の意図もそこにはない。
あらためて撮り比べてみた。
まず、旧型α7R。ISO100、絞り優先AE(1/200秒、f5.6)、ピントは無限遠。

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晴天の順光で撮ると、マゼンタ被りがよく分かる。

次に新型α7RII。撮影データは一緒。

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うひゃー、まったく違う。
周辺光量は減っているが、色を補正する必要はなさそう。
超広角レンズとして十分使える。
使えるけど、今度は周辺の像の流れが気になるなぁ。
これまではマゼンタがうまい具合に隠してくれたけど、像の甘さが白日の下にさらされたって感じだ。

デジカメは日々改良されているんだなぁ。
Commented by テンジン at 2016-12-03 09:00 x
私も初期のf4.0を持っていました
ファインダーが明るいうえギュンギュン曲がるので、所有欲が嫌気に負けて手放しました
あの頃RFは28mmくらいでしか撮れなかったなぁ
あのレンズ カラーは持っていたズミクロンより綺麗でしたよ
今だったら手放さなかったと思います
Commented by tama_photo at 2016-12-03 09:25
テンジンさん
RとRIIと撮り比べた写真を追加しました。
面白いレンズですけど、結像の平面性にはかなり問題がありますね。
今度の撮影旅行に持って行こうかとも思いましたが、もっとワイドな16-35がキッチリ写るから、やめておきます。
どんなものでも、手放すと何らかの後悔の念がわきますね。
Commented by salgadou at 2016-12-03 10:10
スーパーアンギュ~ンのお尻って素敵ね、官能的で。
このお尻にうっとりしてつい財布の紐をゆるめて身請けした紳士も多かったのね。
それにα7で撮影すると 周辺にピンクパブの照明のような妖しい雰囲気が。。。
α7IIになると 健全すぎて色気なくなっちゃうわね (^^)
Commented by tama_photo at 2016-12-03 11:22
教授
その手の店にはもう十数年ご無沙汰しています。
ちょうどレンズを買ったころまでかな。身請けすれば、通う必要はありませんね。^^
Commented by YDの寅次郎 at 2016-12-03 12:15 x
こんにちは技術の進歩にオドロキザンショの木、そこで新旧で元々綺麗に写るレンズを使った場合素敵で、官能的なのはどちらでしょうか気になるところです
明日は植木の大会に行こうと思っておりますそして帰り玉名歴史資料館に寄り同田貫の持つ魔力に魅了されて来ます。
Commented by tama_photo at 2016-12-03 14:00
> YDの寅次郎さん
おっしゃるとおりです。カールツァイスのホロゴンという超広角レンズは、グラデーションフィルターを別売していましたね。中心部の光を減らして、結果、均一な露光を得るものです。いまの技術でしたらカメラにそういう調整機能を組み込むことも不可能ではないと思います。
植木はトライアルの大会でしょうか。トライアル車にジャイロ機構を仕込んで、どんなにしても倒れないバイクを作ったらどうでしょうか。う~む、どこかのプロ棋士みたいだ。
by tama_photo | 2016-12-02 10:42 | カメラ・写真 | Comments(6)