水平化宣言 ウェルテンパード

町役場から市役所に移動して最初の部署が同和教育関係だった。そこで初めて目にした水平社宣言はすごかったなぁ。
読んでいて鳥肌が立った。やっぱり水平はいい。世の中もターンテーブルも水平が一番だ。

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ターンテーブル(この場合、プラッター)は1.2度傾いていた。
ビフォーの写真がこれだ。栓を引くと余計傾いているように見える。

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中古で買ったタンテだったので、こういう仕様だろうと思っていた。わざと傾けてあると思った。笑い話だなぁ。
猫大好きさんのコメントで、傾いているのはおかしいということが分かった。
フェイスブックのグループでもこの話題をアップし、水平に調整するにはどうしたらいいかねぇと投げかけた。いろんな情報をもらった。現在ウェルテンパードを扱っている会社を教えてもらったのでメールで問い合わせたら昨日の朝、担当者から電話がかかってビックリした。ちょうどトイレにしゃがんでいるときだったのだ。
軸受け部分の構造や調整方法について、ていねいにアドバイスいただいた。
すると、自分で調整してみようという気持ちにだんだんなってきた。

まず、軸受けオイルバスをプリンスから抜き取る。オイルバスは樹脂製だ。
本来はオイルを抜いてしまって裏側からプラスチックハンマーでたたき出すのが正しいやり方らしいが、プラスチックハンマーがないので、手抜きの作業だ。「手で抜いた」という意味ではなく「手間を省いた」という意味だ。合理的ともいう。
ひとつは、プレーヤーについていた専用のスタビライダーを使う。材料は硬いプラスチック。
これだけでは高さが足りないので、SME3009のサブウェイトを重ねる。

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この2つの道具? をプリンスの裏側からオイルバスが埋め込まれた穴に差し込む。うまい具合に大きさもちょうどいい。そして拳でプリンスをゴンゴンと叩いた。
アームはつけたままだ。このアームには軸受けやベアリングがないので、多少のショックはへっちゃらだ。
ニョキッとオイルバスが出てきた。ここまで出れば、あとは手で抜ける。

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素人だからできる乱暴なやり方だ。
オイルバスのシリコンオイルを抜き、ゴムのメクラ蓋を取り外すと六角穴のついたイモネジが見えてきた。

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サイズは3/16インチだった。
なぜかインチサイズの工具をいくつか持っている。

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ネジは軽く回った。
調整は次のようにしてやった。

1 オイルバスをプリンスに半分ほど打ち込み、軸を入れて水平面を上にしたプラッターをセットする。
2 プラッターの下から六角レンチをイモネジに差し込んで回す。
3 水準器で左右と前後の水平を測る。

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2と3の繰り返しを何度やったことだろう。少なくとも10回以上やった。
左手で六角レンチを回すので、ハッと気づいたら逆に回していることもあった。
レンチを回す角度は、10分の1回転以下。感触としては1ミリ回すくらい。
左右だけでなく前後の水平も取らなければならないので、手前のネジと奥のネジ、2つを考えながら回した。
ほぼ水平が取れた状態がこれ。調整前と比べるとイモネジの頭がいくぶん出ている。
もし、この部分を改良するとすれば、イモネジはもっと小さいものでいいだろう。ここは軸の加重がかかるけれども、その力はモーターのベルトが引っ張っているだけだ。たぶん数グラム~数十グラムだろう。
直径が半分でも十分だと思う。もっと小さなネジにして、ピッチも細かくすれば微調整がやりやすい。

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ゴム栓と調整用の穴をパーツクリーナーで脱脂し、接着剤(セメダインスーパーX)を塗ってゴム栓でフタをした。
しばらく置いてオイルバスをプリンスに打ち込み、軸とオイルを入れてプラッターを載せた。
少々の誤差はターンテーブルの脚で調整すればいいと思ったのだ。結果はこのとおり。

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前後の水平は完璧だ。左右はいままでとは逆でアーム側に0.3度傾いていた。
でもこれから使っていけば軸受けの樹脂も減るだろうから、0.3度が小さくはなってもこれ以上大きくなることはない。
未来永劫、安心なのである。
針圧を測ってみたら、外周と内周でほとんど差がなくなった。

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すり鉢側プラッターではアジマスも調整してみた。
カートリッジを単に垂直にした場合と、レコード面に対して垂直にした場合とを比べた。
音質に変化を感じなかったし、トラッカビリティーの変化もほとんどなかったので、水平に対して垂直にした。
アジマスを変えると針圧も大きく(0.2~0.3グラムほど)変わってしまうので、やっかいだ。
クロストークのテストでは、左chがちょっと良くなかった。右からの音漏れがやや大きい。
ちょっと時間を置いて、プラッターを水平側にした。
これだと針圧の変化がほとんどないので、精神安定上非常によろしい。1.68グラムにした。
トラッカビリティーに大きな変化はない。やはり315Hz+8dBで歪みが出る。
亡きDL103は+10dBをクリアに再生したからすごい。
ともあれこれでしばらくは落ち着いて音楽を聴ける。
・・・と思う。






Commented by k5 at 2017-08-26 01:57 x
( ・∀・)ノシ∩へぇ~へぇ~

こんばんは。意外な展開になりましたが、修理がうまくいって何よりです。
昔の雑誌と仲間内だけの環境でしたら、今回の件はそのまま(曲がったまま)だったのでは。そうしてみると、現在のネット社会の情報とは凄いと改めて思いました。(ろくでもない情報も多々有りますが)
Commented by tama_photo at 2017-08-26 06:26
> k5さん
おっしゃるとおりです。玉石混交の中から宝石のような情報を探し出すのもまた楽し。
バラして分かったのですが、これは明らかに調整ネジの樹脂部分が摩滅していますね。オイルの量が足りなかったか、使っているうちにオイルが漏れて減ったか、そうでなければオイルバスの中であんなにすり減るとは思えません。
組んでしまった後でなんですが、調整のイモネジをいっぺん外して、その構造を確かめてみるべきでした。毎度のアフターカーニバル。(^^;
Commented by YDの寅次郎 at 2017-08-26 09:25 x
おはようございます朝から妄想をさせて戴きました
天体望遠鏡のスコープの標準を合わせる作業でネジ調整が似ていて遅いと望遠鏡側の星が視界から消える事がありました
ゴルゴ13が遠くの屋上から標的を的中するような作業で、もしtamaさんが音の違いから不具合を見つけたらゴルゴ13のようだと思いました。
Commented by tama_photo at 2017-08-26 13:05
> YDの寅次郎さん
私はいつも冷静なので「ゴルゴ13のようだ」と、よく自分で思っていました。\(-。。-#
カメラのレンズもこんな方式の微調整機構があったように思います。光学機器を参考に設計されたのではないかと思います。
ややこしい作業も、終わりよければ疲れが吹き飛びますね。結果が伴わないと、疲れだけがどっと…。
by tama_photo | 2017-08-25 18:02 | Music & Audio | Comments(4)