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オルトフォンSPU 降臨

昨年来、ずっと思い続けていたオルトフォンのカートリッジ、SPUがやっと手に入りました。
たんにSPUといっても、たくさんの種類があります。一番欲しかったのはシナジー(Synergy)というモデル。
しかし高いのです。新品で16諭吉くらい。中古でも程度のいいシナジーは10諭吉を下りません。
タンノイ・アーデンの先輩が持っていて、その音を聴かされて以降、SPU Synergyが頭から離れませんでした。

とりあえず、手ごろな他のSPUを手に入れることにして、ヤフオクに網を張りました。
で、かかったのがこれです。(写真は出品者から借用)

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_18562319.jpg

説明によると、針交換用のデッドストック品(NOS:New Old Stock)だそうです。SPUはMCカートリッジなので、針が消耗して交換するときは、ユニットごと新品に替えます。それ用のSPU Eということです。
いくらデッドストックとはいえ、製造されてから40年近く経っているので出品者も心配してヒアリングしたそうですが、ダンパーの硬化も認められず、しっかりした音が出たので出品したとの説明でした。




とりあえず、試聴の結果をお知らせします。まだ2枚しか聴いていません。
あくまで私の主観ですから、異議は受け付けません。(^^;

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_207423.jpg

・DL-103にすごく似た音です。DL-103がSPUに似ているのだろうけど、それにしてもソックリ。
・低音も中域も太くて柔らかい。音が服を着たみたいで、ちょっとまろやかかな。
・分解能はそれほどでもない。ベースの音階はDL-103のほうがよく分かる。
・ニードルトークもスクラッチノイズも少なく、案外S/Nがよい。昔もらった中古のSPUとは段違い。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_209988.jpg

ヴォーカルじゃなくて、次回は楽器系をヒアリングしてみます。そのほうがSPUの真価が発揮できると思いますし、レポートももっと掘り下げて書きたいと思います。まぁ、この駄耳でどこまで書けるか怪しいものですが・・・。

さて、簡単に音が出てきたようなレポートですが、ここにたどり着くまでにじつはいろいろとあったのですよ。そのいろいろを話のネタに紹介しておきます。

うちのターンテーブルというか、アームはちょっと変わっているので、カブトムシのような格好をした普通のSPUは使えません。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_1934550.jpg

どうせバラして裸にするので、ヘッドシェルはないほうが好都合です。
長く愛用してきたDL-103、ごくろうさん。
この細いリード線を切りはしないかと、毎回ハラハラしてカートリッジを交換しています。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_1983497.jpg

SPU単体では取り付けできないので、スペーサーという部品も購入しました。カーボングラファイト製。
写真がボケてますが、出品者から借用したものなのでご容赦願います。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_19152885.jpg

それと、取り付けるためのチタン&ステン製ビス・ナットも購入。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_19191268.jpg

しかし、トラブル発生。
カートリッジから出ている4本の端子の直径が細く、ソケットがスカスカです。
ラジオペンチで、慎重の上にも慎重に、細いリード線の先のソケットをつぶさない程度にぎゅーっと締めます。
当時のDIN規格では、カートリッジのピンの直径はФ1.25ミリ、±0.05ミリです。つまりФ1.2~1.3ミリ。
しかしDIN規格に強制力はなく、あくまで「のぞましい」ガイドラインとして存在していたようです。
別のサイトから入手した情報によると、DL-103RはФ1.0ミリ。
オルトフォンLH-6000はФ0.9ミリ。
メーカーが同じなら、ピンの直径もたぶん同じなのでしょう。オルトフォンは細いようです。

ともあれ、冷や汗かきながらソケットを変形させ、無事にリード線をつなぎました。
SPUの針圧は一般的に3g~4gと重めです。これもいろいろ調べたら、古いSPU Eは2.5gという説もあって、悩んだ末に3gにしました。
カートリッジの自重はDL-103よりやや重い程度。アームへの負担は軽そうです。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_219914.jpg

音を出す瞬間は、いつもドキドキです。とくにこれだけ交換に苦労すると、もう一生交換しなくていいと思えるほどのいい音を期待したのですが・・・。

オルトフォンSPU 降臨_d0032222_2193811.jpg

次はDL-103Rだなっ。\(-。。-#
Commented by naka at 2015-05-28 22:08 x
良いものを手に入れられましたね。^_^
Commented by tama_photo at 2015-05-29 17:25
こんにちはnakaさん。長旅の疲れはありませんか?
もう少し尖った特長があるだろうと期待し過ぎていました。シナジーだったらまた違ったでしょう。
40年前にこのクオリティのカートリッジがあったことと、DL-103がけっこう頑張っていることが驚きです。nakaさんは既にSPUお使いですから、次はDL-103をお薦めします。103Rがいいそうです。
Commented by naka at 2015-05-29 18:48 x
SPUをずーっと使ってますが同じ楽曲をCDとLPで聴くと
やはりLPの音に魅力を感じますね。
35年前に買ったSPU今はもう高くて買えません。
その昔誰が言ったのか「レコード盤は無くなる」って
嘘ですね。
Commented by YDの寅次郎 at 2015-05-29 23:10 x
tamaさん良い先輩をお持ちで 改めて新しい発見があったみたいでお金持ちの道楽を楽しみにしております。
 年金が振り込まれるみたいです貧乏道楽のYDスペシャルエンジンが一ヶ月掛り全バラから初乗りにたどり着きました
金太郎まで行こうとしましたが後10㎞の所でオーバヒト
エンジンからキュキルキュキル音がアクセルを戻すとエンジンストール
小川をお散歩している間にエンジンも冷え再始動しましたが
小屋瀬パンで同じ音がしたのでココで暇つぶしをして
全バラ経験から方策と検証を繰り返すと三速で30キロなら
なんとか走りますこれは、エンジンのオイルオルフィスが
怪しい・・・自宅に辿り着き純正オイルフイルターを付けると
かなり改善され後はガソリンの混合比が薄いみたい
tamaさん好きこそ継続の源かもです。
Commented by tama_photo at 2015-05-30 00:13
nakaさん、「化石燃料はすぐなくなる」と言われて数十年。これもウソっぽいですね。
いくら音がいいカートリッジだとしても、10諭吉以上は異常ですよ。消耗品でしょ。
このNOS・SPUは5諭吉未満でした。
Commented by tama_photo at 2015-05-30 00:21
寅次郎さん、お金持ちだったら新品のシナジーを逝きます。
ヤフ奥サマサマです。3分の1で手に入りました。
今日の昼、私は金太郎の人でした。金太郎の前に切株山に上りました。平日なのでKiyomakoさんともお話できて有意義でした。
夏の混合比は薄めでいいと聞きましたが、ケース・バイ・ケースなのでしょうね。
Commented by YDの寅次郎 at 2015-05-30 19:23 x
tamaさんのおしゃる通り気温が高い時は、濃くなるので
セテッグは薄目が正しいですが途方としてはコンコンと
焼玉エンジン(オイルは中レベルだったのが上限)
そこで、ガソリンの気化熱を多くするべくチョクを少し開くように致しました。
 高いオルトフォーンだから買う気になり確か昔のは針圧
6gだったので、重い=音質に妥協無しの発想にそそられた
思い出が蘇りそう言えば日本酒も妥協しない物は美味いが
値段も高いですよね
Commented by tama_photo at 2015-05-30 22:37
こんばんは、寅次郎さん。
気温と燃調の関係はレストアスクールで習いました。考え方としては、気温が低いと空気が縮んで密度が高くなる(酸素が濃くなる)から、それに合わせて燃料も濃くする。
夏になって気温が上がると空気は膨張し、密度が下がる(酸素が薄くなる)から、燃料も薄くする。
そう教えられてモヤモヤしていたものがスッキリしました。
エンジンのオーバーヒートを防ぐにはチョークが有効ですね。燃料を多く送ると発熱量も増える気がするのですが、そうではなくて、多いガソリンが気化熱としてエンジンの熱を奪うのだそうですね。じつはいまひとつピンと来ないのですよ。でもみんながそう言うからそうなんでしょう。
針圧6gにしたらLPから粉が出まっせ。(^^;
Commented by tama_photo at 2015-11-14 01:50
DUCATISTAersさんですよね。新しいブログ建てたのですか?
スタビはハウリングマージン向上のために昔からずっと使っています。装着すれば音が締まるというかデッドになります。悪い言い方をすれば、余韻が乏しくなる。ごく小音量で聴くときは使わないこともあります。
スピンドルはそれなりに耐加重はあると思うので、潤滑油をきちんとメンテしておれば、普通に市販されているスタビは問題ないと思います。気をつけないといけないのは、タンテの移動です。GT2000はこれで失敗して回転ゴロが出るようになりました。
Commented by DUCATISTAers at 2015-11-14 04:55
こんばんは

僕のカートリッジはDL-103Dでした。
当面はこれで行くと思います。
今少し悩んでいるのは、レコードスタビライザーを
買うかどうかです。
一生使わない人もいる中、これを由とするかどうか
はまだ僕には判断が難しいです。
The ARはLP12と同じでフローティング構造なので
あまり思いたい物は使えませんので買うとしたら
100g以下で考えております。

針圧計はオルトフォンのデジタルを買いました!

* すいません 間違えたのでやり直しさせて頂きました
Commented by DUCATISTAers at 2015-11-14 05:00
おはようございます。

スタビライザーは値段が高いのも困りものですよね。
安価なテクニカの物は重すぎるので絶対NGです。
軽いタイプはどれも高くて閉口しております。

そういえば、僕のターンテーブルは45回転のレコード
を聴く時にちょっと不便さを感じるのでエバンスの
ワルツフォーデビーの45回転バージョン購入は見送り
ました。
回転盤を持ち上げ、いちいちベルトを引っかけ直す
必要があります・・・アナログチックといえば
そうなんですが。
Commented by tama_photo at 2015-11-14 08:47
DUCATISTAersさん
空気で吸い付けるタイプを使ったことがあります。とても具合はよかったのですが、周辺のシリコンゴムがすぐにダメになって空気漏れを起こすようになりました。これもATのやつでした。
ウェルテンパードはスピンドルにネジが切ってあって、そこに軽いプラのスタビをねじ込んで締め付けるようになっています。よく考えたと思います。スピンドルをぎゅっと掴んで離さないようなスタビがなかったかな?
ARはモーターの軸がプラッターの裏に隠れてましたね。そのタイプなら私もためらいます。
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by tama_photo | 2015-05-28 19:24 | Music & Audio | Comments(12)

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