人気ブログランキング | 話題のタグを見る

絵で見るカメラ + plus

tamaphoto.exblog.jp
ブログトップ

SP盤再生計画 その2

SPレコードを電気的に再生するという「SP盤再生計画」は、半年くらいかけてゆっくり進めるつもりでした。
第1段階として78回転のあるターンテーブルは、意外にもあっさりSP-10Mk2をオークションで入手できました。
当初はガラードやトーレンスなどのリムドライブを狙っていたんですが、とにかく高い。
じゃあなにか他機種で代用できないかと探していて見つけたのがSP-10Mk2でした。
現用のPD-121Aにも使ってあるSP-10は、33と45回転しかないんです。
それがMk2になって78回転ができるようになりました。
放送局での普及を狙った機種ですから、SP盤対応は必須だったのでしょう。
「オーディオの足跡」から引用
SP盤再生計画 その2_d0032222_10231973.jpg






プレーヤーがそろったので、次はカートリッジ選びだと思っていました。
SP盤再生専用のカートリッジが各メーカーからけっこう出ているんです。
SP盤再生計画 その2_d0032222_10525649.jpg
各社のデータを比べながら、オーディオテクニカのAT-Mono3/SPがいいかなーなんて妄想を膨らませていると、SPレコード関連のブログに「バリレラ」の文字を見つけました。
!!!
GEバリレラ トリプルプレイ RPX-050・・・持っていることをすっかり忘れていました。
SP盤再生計画 その2_d0032222_10572749.jpg
頭の三角ノブを押して回すと、バトン状のアームがクルッと回ってもう一方の針(78回転用)が使えるのです。
こんな具合に。
SP盤再生計画 その2_d0032222_10593384.jpg
針圧はいろんな説がありますが、私は6~8グラム説を信じてその中間の7グラムにしました。
ちょっと多めだけど、ワタシの誕生日と同じでこれまたラッキー。
SP盤再生計画 その2_d0032222_11022512.jpg
このカートリッジはMM型に近いので、昇圧トランスは使わず、LNP-2Lのフォノイコライザーを通します。
動画に録ってみました。


78回転のスピードに驚きましたねぇ。レコード盤がうねっていたこともあって、カートリッジが飛ばされはしないかと心配したくらいです。
音はちゃんと出ましたね。
蓄音機と比べると、細身であっさり、しょうゆ顔系の音と言ったらいいでしょうか。
これはフォノイコライザーが影響しているのだと思います。
LNP-2LのイコライザーはRIAAカーブですから、これがSPレコードには合っていないのです。
少し理屈っぽい話になりますけど、アメリカレコード協会(RIAA)はレコード盤の記録・再生の基準となる規格を開発しました。
分かりやすく書かれた記事を引用しますね。

RIAAによるEQ(イコライザー)カーブの規格が制定される前までは、それぞれのレコード会社が独自の処理を施し、数多くの再生規格がありました。この結果、放送局はそれぞれの規格にあったレコードプレーヤーを用意しなければならず、膨大な費用がかかっていました。

レコードプレーヤーのカートリッジで大きな溝の低域周波数を再生することは非常に困難なことで、特別なEQを施さなければ低域を再生することはできませんでした。

RIAAによるEQカーブの規格は低周波を20dB低減し、高周波数を20dB上げるというものです。再生機はこのRIAAによるEQカーブの信号をフラットに戻し、増幅します。これにより、低周波用の溝がはるかに小さくなり、さらに再生機からのノイズを低減して録音時のサウンドを忠実に再生することに成功しました。


ちなみにRIAAカーブは、こんな形です。

青い点線の音質でレコード盤に記録し、赤い実線で音に補正をかけると、聴いている私たちには0dBの直線のフラットな音として聴こえるというものです。

昔はこのカーブをアンプのカタログに載せていたメーカーもあったのですが、最近はとんと見かけなくなりました。

SP盤再生計画 その2_d0032222_11270701.jpg

さて、SP盤が生産されたのはRIAA規格が決まるずっと前です。各社が独自のEQカーブを使っていた時代の録音ですから、それになるべく近いイコライザーを用意しないと、本当のSP盤の音は再生できません。

とりあえず再生はできましたが、次の段階は適切なイコライザー選び、ですかね。


Commented by k5 at 2019-02-19 19:01 x
最初がSPで、後半もSP。エッ、クイズの動画ではない!ポカッ(._+ )☆ヾ(-.-メ) ォィォィ
という、馬鹿な冗談はさておき、SP-10 mkIIは憧れましたね〜。フォノモーターだけなのでキャビネットとアームを揃えねばならず、学生の分際ではとても買えなかったです。LPは聞かれましたか?当時は絶賛されてましたが、音としてはどうなんでしょう。
Commented by tama_photo at 2019-02-19 21:01
> k5さん
正解です。\(-。。-#
はじめにSPUをつけて、あとはバリレラでSP盤を聴いて、いまはDL-102でモノラルを聴いています。
ステレオはウェルテンに任せて、これはモノラル専用プレーヤーにするつもりです。
ターンテーブルはトータルで性能が決まるので、モーターとタンテのベースが変わってもアームがSMEのままですから、出てくる音が激変することはありません。
このベースはSH-10B4という型で重量5.2kg、当時の価格は39,800円です。同じSP-10MkII用でもSH-10B3は重量が12kg、7万円もしました。ですからより重い、高額なベースに収めればまた音が変わってくるでしょうね。
PD-121Aとの比較は、よく分かりません。悪くなってはいないと思いますけど、それはモーターよりもベースの影響が大きいような気がします。
使い勝手がいいのは認めます。そこを含めて絶賛されたのでしょうね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by tama_photo | 2019-02-19 11:44 | Music & Audio | Comments(2)

「浅く広く」をモットーに、熊のいない熊本から発信しています。


by tama_photo